弔辞とは
弔辞とは故人に贈る別れの言葉です。ご遺族に依頼された場合は、快く引き受けるのが礼儀です。弔辞を朗読するのは2〜3人の場合が多く、だいたい1人3分程度の長さに収まるようにします。
弔辞のマナー
弔辞を作成するのにいくつかポイントがあります。
- 故人の死の驚きを述べる
- 故人と自分との関係や思い出を語り、親しい者としての惜別の情を述べる
- 故人の経歴、人柄、功績などをたたえるエピソードを語る
- 遺族にお悔やみを述べ、励ましの言葉を述べる
- 安らかに眠ってほしい旨結び言葉を述べる
これらのポイントに気をつけながら、しかし美辞麗句を並べ立てるわけでもなく、かといって失敗談や欠点などを長々と述べてご遺族の心情を害すこと無く、適切な長さにまとめます。コツは、とにかく素直に故人の死を悼み、冥福を祈るとともに、ご遺族の悲しみを慰めることです。
弔辞の書き方
文の作り方ではなく具体的にどんな紙にどのように書くかですが、大判の奉書紙か、巻紙に薄めの墨で書くのが正式です。丁寧に毛筆で書きます。弔いのものなので普通の折り方とは逆に右から折っていきます。上包みは、同じ奉書紙を使います。奉書を幅半分に切ったものを左前3つ折りに折ります。表書きは、弔辞、または、弔詞、弔文と箏で書きます。
弔辞の読み方
以下の流れで読んでいきます。
- 名前を呼ばれたら立ち上がり祭壇に進み出る
- 遺族と遺影に一礼する
- 目の高さにささげ持って読む
- 両手で祭壇に供える
文例
後輩へ
○○株式会社○○営業部で一緒に営業をしております○○○○です。○○君のご霊前に、慎んで追悼の辞を捧げます。
○○君、君がいなくなって、とても悲しいよ。先週末、新しいお客様との成約祝いの席で、「今月は調子がいいですよ。来月の営業会議が楽しみです」なんて話していた君の笑顔が、今でも鮮明に目に浮かぶよ。
今回の事故は、○○市の工場へ向かう山沿いの道路でのこと。先日の大雨で地盤が弛んでいるかもしれないと言う僕に、「先輩、あそこは私の地元だから、よく分かっています。大丈夫です。」と返事するので、安心していたのだが。まさか、あれが君と交わした最後の言葉になるなんて。あの時、もっと注意を促すべきだったと、とても悔やまれるよ。
営業が得意な君は、今年に入ってずっと、営業部一番の成績だったね。また、面倒見のよい君は、後輩の面倒を公私ともによくみていた、よき先輩だったね。○○営業部の歓送迎会の幹事や同期会のまとめ役など、人が面倒がることを一手に引き受けてくれて、がんばってくれていたね。本当に、君は、○○部の鏡だったよ。
○○君、君のおかげで、○○営業部は、全国20営業部中、平成○年度上期トップの成績を納められそうだよ。そして、下期もこの勢いを絶やさずがんばって、全国一位を目指すよ。僕たちの活躍を、見守っていてくれ。
○○君、本当に、ありがとう。そして、さようなら。安らかに眠ってくれ。ご冥福を。お祈りいたします。
(http://www.aisatsubun.jp/sougi_kokubetsushiki_choji_kouhai_aisatsu_speech.htm より引用)
恩師へ
○○先生、謹んでご逝去を悼み、生前のお教えに対し、あらためて御礼申し上げます。
私が先生にお教えを受けたのは、もう20年も前になります。振り返りますと、私どもが中学校の制服で過ごしたころが、思い出されます。
先生は、社会科のご担当だけでなく、野球部の顧問をされていらっしゃいました。勉強の面だけでなく、思い切りスポーツをしてしっかり体を鍛えておきなさい、といつもおっしゃって熱心にご指導くださいました。厳しくも優しいご指導に敬愛する生徒はおおぜいおり、親しみある先生でした。
卒業後も野球部の同窓会によく出席され、なにかと相談に乗ってくださり、励ましてくださいました。
この度の突然のご訃報、いまだ信じられない思いでいっぱいです。今後は、その教えを忘れることなく、子どもや後輩に伝えてまいりたいと存じます。
これまでのお導きに感謝し、安らかに眠られることをお祈りいたします。
恩師へ(キリスト教)
謹んで○○先生にお別れのごあいさつをいたします。
今日は、先生に、厳しくそして優しくご指導いただいた教え子たちが集まっています。
私たちは、卒業しても、よく大学に押しかけては、先生のおじゃまをいたしました。先生は困ったお顔をなさりながらも、いつも温かく、みんなを迎えてくださいましたね。そして、時間の許す限り、辛抱強く、私たちの相手をしてくださいました。
私が一か月ほど前におじゃましたときにも、仕事の愚痴を言う私に、「3年間我慢すれば、先が見えてくるよ」と言ってくださった先生。先生のお話を聞いて、もう一度がんばってみようと思ったやさきなのに、先生に3年後の自分を見ていただけないかと思うと、胸の張り裂けるような思いがします。ここに集まっている教え子たちは、みんなそのような気持ちでしょう。
残念ですが、お別れを言わねばなりません。○○先生、安らかにお眠りください。そして、本当にありがとうございました。
友人へ
○○さん、先週お会いしたばかりだというのに、今、私はあなたにお別れの言葉をささげようとしています。こんなに突然に帰らぬ人になるとは、だれが予想できたでしょうか。
思えば、○○さんと私とは、小学校・中学校にいっしょに通った幼いころからの友人でした。高校からは進路も違い、就職も全く違った方面に進みましたが、住まいが近いこともあって、家族ぐるみのつきあいが続いていました。
お2人のお子様もご結婚され、今ではかわいいお孫さんが3人。目の中に入れても痛くないほどのかわいがりぶりでした。職業人としてだけではなく、家庭人としてもりっばな父親でいらっしゃいました。
老後は、2人で将棋を指して過ごそうなんて話していたのに、こんなに早く逝ってしまうなんて、本当に残念でなりません。
○○さん、安らかに眠ってください。いずれそちらでお会いしましょう。さようなら。
上司へ
謹んで、部長○○○○様のご霊前に哀悼の意を表します。
○月○日午前7時10分に心不全にて急逝されたとの報に接したとき、我が耳を疑いました。前日の晩は、部長とともに酒を酌み交わし、新らしいプロジェクトのことやお好きなゴルフの話などしてお元気でいらしたのに、突然の訃報、哀惜のきわみでございます。
○○部長は、仕事に厳しい反面、話のわかる懐の深いかたでした。部下の私どものこともさりげなく気遣ってくださる優しさのあるかたで、お仲人もずいぶん務めていらっしゃいました。今後もご指導にあずかりたいと願っておりましたのに、まことに残念でございます。
残された奥様やお子様のご悲嘆は、推察するだに胸の張り裂ける思いがいたします。○○部長にとりましても、心残りでございましょう
今となっては繰り言でしかありませんが、これからのご遺族をどうか陰ながらお守り下さい。我々は○○部長の代わりとは決して申せませんが、力の及ぶ限りは部長の方針を堅持し、ご指導のお言葉に従ってますます社業に尽くす覚悟でございます。
○○部長、安らかにお眠りください。
同僚へ
謹んで、○○○○さんのご霊前にお別れの言葉をささげます。
○○さんの霊前にこうして立ってみても、まだ信じられない思いでいっばいです。浮かんでくるのは、会社でのお元気な姿ばかりです。先月ご入院された折には、職場一同心配しておりましたが、手術後、快方に向かっていらっしゃるとお聞きして、全快を信じておりました。ご出社の日はいつごろかとおうわさしておりましたところへ、突然の悲しいお知らせでした。
余病を併発しての急変とのこと、まことに残念でございます。ご家族の皆様のお悲しみもさぞやとお察し申し上げ、胸の痛む思いがいたします。○○さんも幼いお子様を残してさぞ心残りでございましよう。
この上は、何を言っても返す由のないことになってしまいましたが、これからのご遺族をどうか、天国から援助くださいますようお願いいたします。
○○さん、どうか安らかにお休みください。
部下へ
○○○○さんの霊前に謹んで惜別の言葉をささげます。
不慮の事故により、○月○日、突然に逝去されました。思いがけず早すぎたお別れが、まるで悪夢の出来事のように感じられ、深い悲しみに包まれています。
振り返れば、あなたが入社して以来5年、日々情熱を持って業務に邁進し、すばらしい成果を上げられてこられました。このような優秀な人材を失ったことは、我々仕事仲間にとって大打撃であることは言うまでもありません。ご両親、ご家族にとりましては、あまりにも残酷な運命だったと言うほかありません。
貴君が志半ばで果たしえなかった仕事は、我々がりっばに引き継ぎ、ご遺族の皆様には微力ながらできる限りのご支援をさせていただきます。
どうか安らかにお眠りください。
社員へ
謹んで○○君の霊にささげます。
君は○月○日、47歳にして航空機事故のため忽然としてこの世を去りました。君の急逝は残念至極であります。まことに惜別の念に堪えません。
君は、国際部部長として日々業務に邁進し、ヨーロッパ諸国を飛び回っておられました。今回の出張は、○月○日に予定されている○○社との契約締結の最終打ち合わせのためのものでした。
帰国に当たり、「うまくいった」との君の報告に気をつけて帰れと声をかけたのに、それがこのようなことになるとは、天を恨むばかりです。君は帰国の途上、飛行機事故という奇禍に遭われたのであります。
志半ばにして永眠された君の無念はもちろんでしょうが、君を失うことは会社にとって大きな痛手であり、また痛恨の念に堪えません。
ご遺族のご悲嘆と今後のご苦労を推察するだに、胸の詰まる思いがいたします。及ばずながら、我々一同、できるだけお力になりたいと念じております。
どうぞ、○○君、安んじてご瞑目ください。
(以上 http://www.c-able.ne.jp/~ubesoten/chouji.htm より引用)